『私の究極の目標』から学ぶべきこと

僕のジム、Questのデスク横の壁に飾っているのはあの世界的アクションスターであり、武術家であったブルース・リーが書いた『私の究極の目標』です。


『私ブルース・リーは、米国で最初の最高報酬の東洋人スーパースターになるだろう。その見返りに、私は最もエキサイティングなパフォーマンスを行い、最高品質のアクターとして、その能力を表現する。1970年から、私は世界的な名声を獲得し、それ以降は1980年末まで1000万ドルを所有する。そして私は好きなように生き、内なる調和と幸福を手に入れるだろう。』

ブルース・リー


これが書かれたのは1969年7月。
そして彼はその後4本半の主演映画を残し、最後の作品「燃えよドラゴン」でハリウッド映画で主演を演じた最初の中国人アクションスターになり、これを書いたちょうど4年後の1973年7月20日に亡くなりました。
そしてその後の1年で『燃えよドラゴン」は日本を含めた世界中で公開され大ヒット。
彼が望む以上の成功を収め、世界中で伝説のスーパースターになりましたが、残念ながら彼はその成功を我が目で見ることはできませんでした。

そう書くとスターの「成功物語と悲劇の死」として捉えられるでしょうが、僕がこれを飾っていること、そしてそれをこうして皆さんに伝えているのはそれとは違う明確な理由があります。

それはこれが書かれた時期の彼の背景です。


ブルース・リー 人生最悪の時

1969年のこの時期、彼は無理なトレーニングで脊髄損傷の重傷を負い、約半年ほぼ寝たきりでした。

生来のファイターであるにも関わらず、医者からは「カンフーのキックはもう2度とできないかも」と宣告されていました。

当時の彼はハリウッドでは売れない役者でたまに殺陣師としての仕事に呼ばれるくらい。
主な報酬はハリウッドセレブ向けの武術のパーソナルトレーナーでした。
ただ彼の性格から真剣に学びたい人にしか教えず、元々生徒は多くない上に、怪我を負いそれすらもできず。
妻のリンダさんは2人目の子供を妊娠中。
毎月の支払いも滞るようになり、極度の近眼なのに落として壊した眼鏡を買い替えることもできず、ツルをテープで貼って使っているほどでした。
あまりにも困窮し、ついにこの時期、結婚してから唯一リンダさんが働きに出て家計を支えることになります。
つまり彼にとって生涯で一番辛い時期。

その時に書いたものがこの『私の究極の目標』なのです。

彼は『ワシントン大学』の哲学科で学びながら高校で東洋哲学の講師を務めるほど哲学と心理学を研究し、同時にスマイルズの「自助論」などの成功哲学や自己啓発についても研究していました。

だからこそ動けなくなり、収入も安定した生活も失われたこの時、彼の挫けそうな心を支えたのは自分の中に持つ「意志の力」だけだったのです。

強気な言葉を並べていますが、彼はそうする事で今動けない自分を奮い立たせたのでしょう。
そこに僕は彼の言いようのない焦りと、だからこそ内部から噴火のように沸き立つパワーを感じます。

その後、彼は懸命なリハビリとトレーニングを重ね、この2年後香港に凱旋帰国。
そこからあっという間に香港映画史上最高の興行収入を叩き出し、さらにそれを自らの新作で塗り替え続け、香港最高のスーパースターになり、ついに念願のハリウッド映画に主演するのは前述の通り。


真の「引き寄せ」とは

「引き寄せ」とか「ウィルパワー(意志の力)」とか「ポジティブシンキング」と言った言葉には、どこか「思っているだけで叶う!」的な胡散臭さを感じる人も多いでしょう。

でも燃えたぎるような情熱と執念と努力、そして知力と技術が伴った「ウィルパワー」はやはり成功を引き寄せる、いや、たぐり寄せる事ができるのだと僕は信じています。


この時の彼も動かない身体でただ沸々と「成功」を祈る訳ではなかったのです。
彼はその文章力と画力で自分の技術を描きため、それは7冊以上の膨大な量のファイルとして残されています。


それらは死後『Tao of Jeet Kune Do」などいくつかの書籍にまとめられ出版されました。
動けない身体でこれを書き続けた彼の「自分と自分の未来を信じる力」こそが真の「ウィルパワー」

それを僕も忘れる事のないようにこの「私の究極の目標」をジムに飾っています。
それがもちろん僕自身を鼓舞することにもなりますが、さらにお客様をはじめ1人でも多くの人に伝わるように。







ファンクショナルトレーニングラボ クエスト

ここは東京都新宿区四ツ谷 静かな住宅街のマンションの地下 こんなところに?そこにある小さなジム でもなぜか毎日 老若男女 多様な人々がここに集まる その多くが さまざまなパーソナルジムを彷徨った『ジム難民』 そうここが「探求」という名のジム 誰かがこう呼ぶ 『パーソナル難民、最後の場所』 ここにはあなたの求める「答え」が、きっとある・・・

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