「スキル獲得の脳科学的アプローチ」③ まず前頭前野を活性化させる
ここまでで2回にわたり 「スキル獲得の脳科学的アプローチ」をテーマに書きました。
もうお読みの方が多いとは思いますがまだの方は以下のリンクからぜひ先にお読みいただけると嬉しいです。
前回は「人だからこそ発達した前頭前野」と「言語」についての予告で終わりましたので今日はその続きから話を進めます。
スキルの獲得に関する前頭前野の働きとは?
前頭前野は人だからこそ発達した「高次脳」です。
では実際にはどのような働きをしているのでしょうか?
前頭前野は、複雑な認知機能の制御において中心的な役割を果たす脳の一部です。
以下に特に「スキルの獲得」に関連付けて「前頭前野」の役割について説明します。
1.意思決定
前頭前野は、異なる選択肢や行動オプションを評価し、最適な決定を下すプロセスに関与します。
これにより、スキル獲得においても適切な選択をするための能力が向上します。
2.問題解決
複雑な問題に対処するために前頭前野は必要です。
問題を分析し、効果的な戦略を立てる能力が強化され、新しいスキルを習得しやすくなります。
3.計画と推論
前頭前野は将来の出来事を計画し、将来の結果に基づいて現在の行動を調整する能力を支えます。
スキルの獲得においても、計画的なアプローチが成功につながります。
4.判断力
前頭前野は、情報を評価し、判断を下すための情報処理に関与します。
スキルの獲得においても、新しい情報を取捨選択し、どのスキルをどの方法で獲得するのか?
適切な判断をすると言う働きを果たしています。
5.自制力
前頭前野は衝動を抑制し、計画的な行動をサポートする役割を果たします。
スキル獲得においても、忍耐力と自己管理が必要ですが、前頭前野の働きがこれを助けます。
つまり前頭前野は新しいスキルを習得するために必要な認知プロセスの多くを制御し、高度な認知機能をサポートするのに重要な役割を果たします。
スキルの獲得や発展において、前頭前野を鍛える方法やアプローチを採用することは、成功に向けた重要なステップと言えます。
この「人だから発達した高次脳」である「前頭前野」を最大限に活性化させ「スキルの獲得」を成し遂げるために重要なのは「言語化」です。
「習うより慣れろ」??
あなたは「習うより慣れろ」派ですか??
それとも「まず基礎を習おう」派ですか?
ここでお話ししたいのは上記の二つは二律背反しているわけではないし、どちらかの方法を正しいと言うつもりもないと言うこと。
ただ「習うより慣れろ」で取り組んで、簡単にそのスキルが身につくとしたら、それは身につけようとした「スキル」そのもののレベルが低かったのかもしれません。
もしくは以前に近い技術を基礎から学び身につけた経験のある場合「とにかくやってみて」それでマスターできる確率は上がるでしょう。
しかし身につけようとする知識が高度ならば「習うより慣れろ」で取り組むとただ時間とエネルギーだけが 費やされることに終わることもあるでしょう。
それを防ぐには・・・
まずは言語化せよ!
獲得したいスキルに関して言語化することは「人の高次脳=前頭前野」を最大限に活用しするために非常に重要なプロセスです。
今回はそれについて簡単に骨子のみを書きます。
言語化とは何か?
言語化とは、思考や感情を言葉にするプロセスです。
私たちが自分の考えや感情を言葉で表現するとき、前頭前野が活性化され、それによって次のような点が実現します。
スキルの獲得に対して「言語化」が果たす役割
1.クリアな目標設定
言語化によって、スキル獲得の目標を明確に定義することができます。
前頭前野はこの明確な目標をもとに計画を立て、効果的な行動戦略を策定します。
2.問題解決の支援
複雑なスキルやタスクに取り組む際、問題が発生することがよくあります。
言語化を通じて問題を具体的に認識し、前頭前野が問題解決に集中できる状態を作り出します。
3.自己制御と計画の強化
前頭前野は自己制御を支えます。 獲得すべきスキルを言語化したり、目標を言葉にすることで、前頭前野は衝動を抑制し、計画通りに行動する手助けをします。
4.フィードバックの受容
言語化によって、自分自身や他者からのフィードバックを受け入れやすくなります。
前頭前野はこのフィードバックを分析し、学習プロセスを改善するための手段として活用します。
まとめと次回に向けて
今回は「スキルの獲得」「前頭前野」「言語化」についての用語とそれぞれの関係性について書きました。
そこで次回は実際に 「具体的にスキルをどうやって言語化するのか」 「それがどんなプロセスでスキルの獲得に繋がるのか」 実例を挙げながらご説明します。
気になる方はぜひ「フォロー」してお待ちいただけたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
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