運動不足の人にこそ『ストレッチ』はお勧めしない理由 3選


はじめに

 一般的に「ストレッチ」は運動不足の方が最初に取り組むのに適した運動だと思われがちです。

 ただ一概に「ストレッチ」をすれば良いというわけではありません。 

それには明確な理由があるのですが、今回はそれを3つに絞ってご説明します。 


 その前に「ストレッチ」って?? 

本当にざっくりですがわかりやすく言うと「ストレッチ」には2種類あります。 


1.スタティック ストレッチ 

静的なストレッチと言われ、エクササイズの最中に関節の動きを伴わず、じっと動きを止めて行うストレッチを指します。 

このnoteの記事で「ストレッチ」といった場合、このスタティックストレッチを意味していると思ってください。 


 2.ダイナミック ストレッチ 

動的ストレッチと呼ばれ、関節を動かしながら筋肉の伸長を促すようなストレッチを指します。 

「ラジオ体操」をイメージしていただければ良いでしょう。


 運動不足の人にこそ『ストレッチ』はお勧めしない理由 その1 「板ガム理論」

 運動不足の人の筋肉は通常、冷えて硬くなっています。

 このような状態の筋肉を静的に伸ばすことは、まるで「板ガムを急に引きちぎるようなもの」です。 徐々に血流を促し、筋肉の温度を上げないと筋肉や靭帯に負担をかけ、むしろ怪我の原因となる可能性があります。 


 運動不足の人にこそ『ストレッチ』はお勧めしない理由 その2 必要な「伸長反射」 

運動不足の人は、筋肉の伸長反射の能力が衰えていることがあります。 

この伸長反射とは「筋が急速に伸ばされた時に縮もうとする反射」のことで、例えば「ボールを投げる時一旦腕を引く」「ジャンプの前に瞬間的に膝を曲げる」など、本来は人に自然に備わっている能力です。 

 ただ運動不足の人はこの能力が低下していることが多いのです。

 「スタティックストレッチ」は1970年代初頭にこの「伸長反射」を起こすような弾みのついたストレッチは危険だという間違った考え方から急速に広まったもの。

 しかし「伸長反射」は人に元々備わっている能力なので、あえてこの「伸長反射」を解除し、ただ筋肉を伸ばし関節可動域を広げるだけのストレッチでは、咄嗟の動きでリスクを回避したりスポーツを楽しむことはできません。 


 運動不足の人にこそ『ストレッチ』はお勧めしない理由 その3 まず代謝と循環 

ストレッチで「血行が良くなる」というイメージがあるかもしれませんが「代謝と循環」に対して効果が高いとは言えません。

 なぜなら「必要なエネルギーが少ないから」 

人は動く=筋収縮することでエネルギーを消費し、そのために代謝と循環が促されます。

 ですから血行を促すならまずは「じっと伸ばすのではなく動かすこと」 


立ち上がって「スクワット」の3分の1の可動域でも良いので、膝の曲げ伸ばしをしたり、まるでランニングしているかのように1分間腕振りをしてみてください。 

 どうですか?

 じっとストレッチするより血行が良くなり、体が温まったはずです。 


 運動不足の方へ 

このように巷の運動と健康に関する常識はかなり間違っているものや誤解されて伝わっているものも多いのです。 

 さらに重要なのは「個人差」

 ここまで「ストレッチ」をお勧めしない理由を3つ書きましたが、でも人によって時には、この「3つの理由」よりも優先されるべき理由があって「ストレッチ」を取り入れることもあります。


 それほど「健康」「運動」と言うものはパーソナルなもの。

 だからこそ我々パーソナルトレーナーの存在意義があるのです。 


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