運動を習慣化するのは ⑧ エンゲージメントを高める
エンゲージメントとはその状況によって様々な意味を持つ言葉ですが、ここでは「深いつながりをもった関係性」を意味していると思ってください。
例えば
「通っているジムとの関係性」
「ジムで会うトレーニング仲間との関係性」
「パーソナルトレーナーとの関係性」
「一緒にランニングする友達との関係性」
運動をする際にもそこには様々な関係性があるでしょう。
運動の中にエンゲージメントの要素があれば、それに助けられて運動が習慣化しやすいのです。
本来、運動は自分の人生のために心身に対してポジティブな結果を求めて行うものです。
別に他者との関係性がなくてもするべき行為です。
例えば誰でも習慣化している歯磨きは毎日10分程度で終わる行為であり、口臭や見た目や虫歯などはっきりとわかる「やらなければいけない」理由があります。
しかし運動は歯磨きほど簡単ではなく、効果もすぐには目に見えない。
もともと動物は必要性がないと動かないように遺伝子レベルで組み込まれているので、動かなくても生きることができる現代人がわざわざ運動するためには、「健康に良い」という理由以外の何かがないと習慣化しにくいのです。
そのために大切な要素の一つが「他者との関係性」です。
社会心理学的にも他者との繋がりが幸福感をもたらす最大の要因だと言われています。
それは元々人が群れをなし、それぞれが自分の役割を果たすことによって、自分だけでなく群全体が生存する確率を高めることができる生物だったことに起因しています。
だからこそ自分が他者に助けられているだけでなく、自分も他者に必要とされているという感覚を持つことでよりエンゲージメントが高まり、幸福感が得られるのです。
ただ単に自分のためだけに運動をするのであれば継続できない場合も、他者やその集団に対するエンゲージメントが高まれば、その関係性によって習慣化することも可能です。
運動という切り口ではどのようなエンゲージメントがあるのでしょうか?
・スポーツクラブでのグループエクササイズクラスなら、参加者同士の繋がりを持つことも重要でしょう。
・ダンスのクラスなら、そのダンスを発表する場を設ける。
・トレーニング系のクラスなら参加者を小さいグループにわけて、そのグループ内で助け合って辛いエクササイズを乗り切る。
・ランニングならラン友を作り、その人とコミュニケーションを取りながら一緒に走る。
・パーソナルトレーニングならトレーニングや食事に関する悩みをLINEやメールなどでトレーナーに相談する仕組みができている。
・トレーナーもトレーニング方法やサプリメントのモニターをクライアントにお願いする。
そんな相互依存の関係性を作ることが運動の習慣化に役立つのです。
ちなみに私はグループレッスンのインストラクターだった頃もパーソナルトレーナーとしても「エンゲージメント」を構築することがとても苦手でした。
それは自分自身が子供の時から一人でもトレーニングができたので、他者との関係性が必要なかったこと。
また元々人間関係に一種の苦手意識、テレがあり、他者との関係性を築きにくい自分の性格によるものだと思います。
ただ近年はそれを反省し、お客様が運動や生活習慣について相談していただきやすいような関係性を作っています。
それによってセッションの内容もよりお客様のニーズをカバーできるものになり、顧客満足度が高まっただけでなく、私自身もセッションに対する幸福感や満足度が高まっているのを実感しています。
そういう意味でも、それぞれの方がご自分の環境に合わせた個人やコミュニティとのエンゲージメントを高めることも運動を習慣化することができる要因になるでしょう。
もし一人でご自宅で運動をしている人ならTwitterなどでご自分の毎日の運動をつぶやくだけでも、同じような方と繋がれる可能性もあります。
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