スクワットを通して感じたこと

一般の人にとって必要なスクワットとは?
それは「しゃがんで立ち上がる」動作。


重要なのは

1.足関節、膝関節、股関節、脊柱の各関節・骨格に負担をかけない

2.できるだけ合理的に楽にしゃがむ・立ち上がるができるようにする


なぜなら多くの人は座り過ぎで、そのための多くの弊害を抱えていることでスクワット動作が苦手


それによって以下のような弊害が発生している

1.各関節の可動性、安定性が失われている

2.動作に必要な筋肉の連動性が失われている

3.動作に必要な筋肉の筋力が失われている


→これらの要因により立ち上がることが億劫になる
→ますます座り過ぎになる という悪循環が発生する


それを防ぐために

1.足関節、膝関節、股関節、脊柱の各関節・骨格に負担をかけない

2.できるだけ合理的に楽にしゃがむ・立ち上がるができるようにする

→このようなスクワット動作を習得することが大切


座ることが多く運動していない低体力者や筋肉そのものが減っている高齢者にとって重要なスクワット動作は以上のポイントを押さえたものであり、決してバーベルバックスクワットではない。


なんて当たり前のことをこうして改めて書いたのは、今日のセッションで来てくださった方へのスクワットの指導を通して思うところがあったから。


その方は女性で70代前半。

普段別のジムでトレーニングをしている。

その方の娘さんが定期的にQuestにきてくださっているので、今日はお二人でのセミパーソナル。

お母様への指導は単発なのでテーマを絞って今日はスクワットを習得していただくことに。

一通りプレパレーション(準備運動)を済ませてからメインのスクワットに。

まず床から35センチほどの台に座ったところから立ち上がる動きをやっていただく。

膝をつま先よりも前に出さないことを意識し過ぎて、股関節の屈曲が強すぎることと、それに伴って脊柱も屈曲し過ぎなのが気になる。

お話をお伺いすると普段から「膝がつま先よりも出ないように」と指導されているそう。

でも事前にお話をしている時には、わざわざ綺麗な正座をして聞いてくださる。

つまり体重をかけて完全に膝を曲げることに問題がない方なのだ。


さらにお話を聞くと「バーベル状の3kgの器具」を肩に担ぐバックスクワットをやっているらしい。

もともと年齢から脊柱の屈曲が強くなっている上に「膝を前に出さない」と言われ、背中に3kgの重量物を持てば、当然股関節から折れて、さらに猫背のようなスクワットになる。

つまり

1.足関節、膝関節、股関節、脊柱の各関節・骨格に負担をかけない

2.できるだけ合理的に楽にしゃがむ・立ち上がるができるようにする

というスクワット動作のポイントから外れてしまう。


そこでいろいろと細かいフォームと動作スピードの修正を加え、最終的に床から25cmの台から立ち上がり、そこに座るという方法で、4.5kgのケトルベルでのゴブレットスクワットをお辞儀にならず、脊柱がニュートラルな姿勢で楽々行うことができた。


ご本人曰く

「あら、こんなに楽なのね」

「こんなに深くしゃがめたことはなかった!」

と本当に嬉しそうな笑顔。


そうなんです。

別に僕は自分のやり方を押し付けたいわけでも、正当性を主張したいわけでもない。


ただ目の前のお客さまと真剣に向き合って、なんとかしたい!と思えば、マニュアル化された方法を押し付けるのではなく、その方に合ったベストの選択をする。

それこそがトレーナーのお仕事ですから。


だからこそ常に情報をアップデートして、あらゆる方法を模索し、その上でノウハウを積み上げるという「事前準備」が最重要。


一つ苦言を呈するとすれば、その事前準備にどれくらいの時間と労力を割いているか?

僕から見ると多くの若いトレーナーの方は少なすぎるのではないかと思います。


僕はトレーナー歴40年を迎えた今でも毎日何時間もそれに費やしています。

でもそれは一流の料理人が毎日食材選びに市場に行き、その材料で仕込みをするのと同じ。

一流の料理人でセントラルキッチンで作られる料理を出す人はいない。


でも少しでも目の前のお客様にベストなものを提供したいなら、それは不可欠なのです。



ファンクショナルトレーニングラボ クエスト

ここは東京都新宿区四ツ谷 静かな住宅街のマンションの地下 こんなところに?そこにある小さなジム でもなぜか毎日 老若男女 多様な人々がここに集まる その多くが さまざまなパーソナルジムを彷徨った『ジム難民』 そうここが「探求」という名のジム 誰かがこう呼ぶ 『パーソナル難民、最後の場所』 ここにはあなたの求める「答え」が、きっとある・・・

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